名作映画を観ると、映画のほうが真実で、今現在自分が存在している、現実の物質世界のほうが幻想に思えてきます。大切なもの、愛とは…友情とは…命とは…そういうものについて、名作映画にはいろいろなことを考えさせられます。~映画製作の技術は日々進歩し3Dの時代にもなりましたが、技術に頼った駄作映画だけが量産されないことを願うとともに、観る側にも目を養っていただけるように、このサイトを更新していきます。

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コレクター The Collector

  • コレクター The Collector
  • 米 1965年製作
  • 監督:ウィリアム・ワイラー
  • 男優:テレンス・スタンプ
  • 女優:サマンサ・エッガー/モナ・ウォッシュボーン
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美しい蝶を捕獲してコレクションする銀行員のフレディがある日サッカーくじに当たって大金を手に入れます。まずは監禁に都合がいい地下室のある一軒家を購入。そして狙う獲物の尾行をはじめるのでした。コレクターの独占欲とエゴが、美しい女子大生ミランダを襲い、クロロフォルムを嗅がせて拉致監禁。「好きだからこそ持っていたい」コレクターとしての飽くなき欲望の行き着く先は…。

  

「飼う」ことでしか愛せない男

銀行員のフレディーの趣味は美しい蝶を集めること。そしてその蝶をクロロフォルムで殺すとき、何もかも忘れてしまうのが気持ちよく止められない変わった男でした。そんな彼がある時、サッカーくじに当たって大金を握ります。地下室のある郊外の家を買い、調度品を揃え、そして美術学校に通う美しい娘、ミランダを誘拐し、強制的に同棲生活を送ることを考えます。それは奇妙な生活でした。彼は、ミランダが欲しがるものは何でも買い与えます。しかし決して監視の目は緩めません。同時に彼女の方はというと、常に、逃げることだけを考えていました。そしてある激しい雨の夜、ミランダは男をスコップで殴り、脱出を試みるのですが…。

  

ホラーより怖いサイコ・サスペンス

ホラー映画では、モンスターが人を襲い殺します。しかし、サイコ・サスペンスでは、基本的にモンスターは登場せず、見た目はどこにでもいるような普通の人、むしろ好青年、そんな精神異常者や多重人格者が犯罪を起こし、人を殺します。一番怖いのは、人間の心という暗闇の世界というわけで、それを垣間見せてくれるサイコ系の作品も近年多くなりました。時代的にはこの作品が一つの原点でしょう。この作品の中でも、たいていの男はもし若くて美しい娘を拉致監禁して自由に出来る、としたら(仮の話だとしてもありえない設定ですが…)まず考えることは、セックスでしょう。しかし、この作品の主人公フレディは、彼女は自分の所有物、コレクションとしての価値を下げないために、そういったことを一切しない、というのですから、精神異常者の犯罪心理というものはなかなか常人には理解できない部分があります。(まあ、ふしだらな考えを持った筆者が自分自身を自己弁護するわけではありませんが、それはさておき、)彼らのもたらす恐怖というものは、はかりしれません。